結婚相談所を利用する人の離婚率は高い?低い?気になる実情を徹底解説

結婚を考えるうえで「離婚率」というキーワードは避けて通れないものです。せっかく出会ったパートナーと一生を共にできれば良いのですが、残念ながら全ての夫婦がずっと円満でいられるわけではありません。特に結婚相談所を通じたお見合い結婚には「本当にうまくいくのだろうか?」「離婚率が高いのでは?」と心配される方もいることでしょう。
本記事では、最新の離婚率や結婚相談所を利用したカップルの離婚率について、公的データを参照しながら詳しく解説します。さらに、結婚相談所を利用するメリットや離婚を回避するポイントもご紹介します。ぜひ最後までご覧いただき、結婚への不安を解消していただければ幸いです。
1. 日本の離婚率の現状
まずは、日本全体の離婚率がどの程度なのか把握しておきましょう。結婚相談所を利用する・しないにかかわらず、社会全体の傾向として離婚率はどう推移しているのかが気になるところです。
1-1. 日本の離婚率はどれくらい?
厚生労働省の人口動態統計によると、2022年(令和4年)の離婚件数は約18万7,000組、離婚率(人口1,000人あたり)は約1.50でした。近年は減少傾向にあるものの、ゼロにはならず一定数の夫婦が離婚を選択しています。
出典:厚生労働省「人口動態統計(月報年計)令和4年(概数)の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei22/index.html
なお、離婚率は時期や経済状況によっても変化します。リーマンショック後の景気低迷時には一時的に離婚率が上昇したケースもありましたが、近年ではやや落ち着きを見せています。
1-2. 国際比較における日本の離婚率
国際的にみると、日本の離婚率はアメリカ合衆国やヨーロッパ諸国と比較して低い水準にあります。ただし、日本には「協議離婚」が多いという特徴があり、双方合意のうえで役所に離婚届を提出するだけで手続きができてしまうため、実際の離婚に至るまでのハードルはそれほど高いわけではありません。
また、夫婦が「事実婚」を選択するケースが増えている国と単純比較するのは難しい面もあり、単純に日本の数字が低いといっても注意が必要です。
2. 結婚相談所の利用者の離婚率は本当に高い?低い?
結婚相談所経由で結婚したカップルの離婚率については、明確な公的統計は残念ながら存在していません。厚生労働省の人口動態統計でも「どこで出会ったか」「どのように結婚したか」の分類は行われていないため、正確な数字を出すことは難しいのが現状です。
ただし、結婚相談所の大手連盟や各事業者が独自に行っている会員アンケートなどからは、比較的安定した夫婦生活を送っているケースが多いという報告があります。その理由としては以下のような点が挙げられます。
- 1.入会時の審査がある
結婚相談所では、会員登録時に独身証明書や所得証明書などの各種書類を提出するのが一般的です。これにより、結婚に対して真剣な方のみが集まりやすく、安心して出会いを探す土台が整っています。
- 2.カウンセラーによるサポートがある
結婚相談所には専任のカウンセラーが在籍しており、プロフィール作成の段階から相手とのお見合い時、交際中、成婚に至るまで、さまざまな相談にのってくれます。さらに、結婚が決まった後でも夫婦としてのあり方や新生活についてアドバイスを受けられるところもあります。こうしたサポートがあることで、交際段階からお互いをより深く理解しやすくなり、離婚に至りにくい基盤を築きやすいのです。
- 3.結婚後の生活設計を見据えやすい
結婚相談所で出会う方の多くは、交際がスタートした時点から「いつ結婚するのか」「子どもは何人ほしいのか」「共働き・専業主婦(主夫)どちらが良いのか」など具体的な将来像を話し合う方が少なくありません。あらかじめ結婚後の理想像をすり合わせておくことで、結婚後に起こりがちな意見の食い違いを減らすことができます。
こうした理由から、結婚相談所で出会った夫婦は「離婚率が比較的低い」と言われることが多いのです。ただし、この数字は事業者によっても異なり、そもそも統計のとり方にバラつきがある点は注意が必要です。
3. 結婚相談所の離婚率が気になる理由
「結婚相談所で出会った人は離婚しやすいのでは?」という声が一定数ある背景には、以下のようなイメージが考えられます。
- 1.短期間で結婚を決めるイメージがある
結婚相談所を通じて出会う場合、交際期間が比較的短く感じる方もいます。お見合いから数か月で婚約、1年以内に結婚といった流れは珍しくありません。短期間で結婚を決めることへの不安から「後々、離婚するのでは?」と思われがちです。
- 2.お見合い結婚=恋愛感情が薄い?
お見合い結婚と聞くと、従来の「仲人が勝手に決めた相手」という昔ながらのイメージを抱く方もいます。恋愛感情よりも条件重視で結婚すると、愛情が続かず離婚に至るのではないかという誤解があるようです。しかし、現代の結婚相談所は会員同士がお見合いをして、実際に交際をし、お互いを十分に理解したうえで結婚を決めるケースが主流です。昭和の「仲人型お見合い」とは全く違います。
- 3.コストへの不満が将来に影響する?
結婚相談所の利用には、入会金や月会費などコストがかかります。途中でうまくいかない相手がいても、「ここで辞めると費用が無駄になる」と焦って結婚してしまう人がいるのでは?と想像する方もいます。しかし、実際にはカウンセラーのサポートを受けながら慎重にお相手を決める方が多く、「焦りだけで結婚する」ケースはそう多くありません。
結論として、結婚相談所に対する先入観が「結婚相談所で結婚すると離婚率が高いかも」というイメージにつながっている部分もあると考えられます。
4. 離婚理由のトップは「性格の不一致」?現実を見据えた対策が大切
厚生労働省が公表している人口動態統計の離婚に関するデータから、離婚理由で最も多いのが「性格が合わない」という回答です。令和3年の資料によれば、男女ともに離婚理由のトップを占めています(協議離婚で届け出る場合は理由の細分化がないため、統計で理由を明確に把握するのが難しい面はあります)。
出典:厚生労働省「人口動態統計 人口動態総覧(令和3年)」
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450011
「性格の不一致」は結婚前にお互いの価値観・ライフスタイルをどれだけすり合わせていたか、結婚後も歩み寄りを続けられるかが重要になります。結婚相談所のシステムを活用すれば、交際時からカウンセラーと話し合いをしながら、性格のすり合わせや価値観の違いを前もって確認しやすいメリットがあるのです。
5. 結婚相談所で出会った夫婦が離婚を回避するために心がけたいポイント
結婚相談所での結婚は離婚率が比較的低いといわれていますが、もちろんゼロではありません。どんな夫婦関係にもリスクはつきものです。しかし、以下のようなポイントを押さえることで、離婚を回避しやすくなります。
- 1.価値観を積極的に話し合う
仕事のスタイル、家事分担、子どもを望むかどうか、親との同居など、結婚後に想定されるトピックを事前に話し合いましょう。結婚相談所を活用すれば、交際中からカウンセラーの仲介を得つつ、お互いの意見をまとめることができます。
- 2.カウンセラーを頼る
結婚相談所のカウンセラーは「出会いのサポート」だけでなく、交際中の悩み相談にも乗ってくれます。ちょっとした不安やすれ違いがあるときほど、第三者の意見は役に立つものです。必要に応じて適切なアドバイスを受けることで、大きなトラブルや誤解を未然に防げる可能性が高まります。
- 3.お互いを尊重し合うコミュニケーション
結婚生活を続けるうえでは、意見の衝突が全くない夫婦はほとんどいません。何か問題が起きたときこそ、冷静に相手の意見を聞く姿勢が大切です。感情的になったり、相手を否定するような言動をとると、修復が難しくなってしまいます。
- 4.適度な距離感を保つ
夫婦とはいえ、完全に一心同体になる必要はありません。お互いの趣味や友人関係を尊重しながら、適度な距離感を保つことも円満な結婚生活には重要です。干渉しすぎず放置しすぎず、バランスを意識しましょう。
6. 結婚相談所を選ぶ際の注意点
結婚相談所にもさまざまなスタイルや料金体系が存在します。離婚率に直結するわけではありませんが、結婚後の満足度を高めるためにも、自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。
- 1.サポート体制を確認する
カウンセラーのサポートが手厚い結婚相談所ほど、お見合い成立から交際中、そして結婚後に至るまで安心して相談できます。料金だけでなく、サポート内容にも注目しましょう。
- 2.実績をチェックする
成婚実績や会員数、男女比率などは、結婚相談所を選ぶうえで重要な指標です。大手の場合は信頼性が高いことが多いですが、小規模でも手厚いサービスを提供している相談所もあります。
- 3.料金プランやサービス内容を比較する
入会金や成婚料、月会費などの料金体系は相談所ごとに違います。短期間での成婚を目指すなら手厚いサポートがついたプランを選ぶなど、自分の目標・ライフスタイルに合わせて比較検討すると良いでしょう。
- 4.利用者の口コミを参考にする
インターネットやSNSでの口コミも参考になりますが、過度に信じすぎないことも大切です。実際に資料請求や無料カウンセリングを受けて、自分の目で確かめるのが最良です。

7. 結論:結婚相談所を活用して離婚リスクを下げる賢い選択を
公的データを見ても、日本の離婚率は大きく下がることなく一定数を保っています。一方で、結婚相談所で出会ったカップルの離婚率を示す公的統計はなく、一般的には「比較的低いのではないか」と考えられているのが現状です。
結婚相談所のメリットとしては、入会時の審査や専門家のサポートにより、結婚後の価値観のミスマッチを減らせる点が挙げられます。もちろん、結婚すれば誰にでも離婚のリスクはつきまといますが、重要なのは「事前の準備や相互理解がどれだけできているか」「結婚後も話し合いを重ねられるか」という部分です。
結婚相談所を利用することで、ただ相手を探すだけでなく、「自分の結婚観を見直す機会」や「客観的なアドバイス」を得られます。これこそが結婚後の離婚リスクを下げる大きなメリットと言えるでしょう。